「体重は変わっていないのに、お腹だけぽっこりしてきた。」
そんなふうに感じることはありませんか。
すると、多くの方が、
「腹筋を頑張った方がいいのかな。」
「運動を始めなきゃ。」
と考えます。
実際、先日いらしたお客様も、お腹が気になり、腹筋を頑張っていたそうです。
ところが、その後ぎっくり腰になってしまい、鍼灸を受けに来られました。
「腹筋を頑張ったのに、どうして?」
そう思われるかもしれません。
お身体をみてみると、お腹は柔らかそうに見えても、奥の方には力が入り続けているような印象がありました。
そこで、お腹に手を添えて呼吸をしていただくと、お腹はほとんど動いていませんでした。
以前スポーツをされていたそうなので、お腹を締めて身体を支えるクセが残っていたのかもしれません。
スポーツをされていた方や、普段から姿勢を意識している方の中には、お腹に力を入れることが習慣になっている方もいらっしゃいます。
お腹は、必要なときにはしっかり働き、必要のないときには自然に休めることも大切です。
力を入れることが悪いのではありません。
必要に応じて、力を入れたり抜いたりできること。
それが身体にとっては大切です。
もちろん、ぽっこりお腹の原因は一つではありません。
この方も、これだけが原因とは言えません。
ですが施術をしていると、お腹を鍛えることより先に、身体が自然に動ける状態を取り戻すことが必要な方は少なくありません。
身体は、頑張れば頑張るほど良くなるものではありません。
本来動いてほしいところが動かず、力が入り続けている状態では、身体はうまく働きにくくなってしまいます。
その状態で腹筋だけを頑張ると、かえって腰に負担がかかってしまう方もいらっしゃいます。
ぽっこりお腹が気になると、
「お腹を鍛えればいいのかな。」
と考えがちです。
でも、
「ちゃんと呼吸ができているかな。」
「お腹は必要以上に頑張っていないかな。」
そんな視点で身体を見てみるのも、一つの方法です。
まず身体が動きやすくなる。
その結果として、体重が変わらなくても、姿勢やお腹の見え方が変わることも少なくありません。
今は、SNSやテレビ、YouTubeなどで、たくさんの健康情報を目にします。
「痩せるにはやっぱり筋トレかな。」
「ヨガならできそう。」
「最近よく見るマシンピラティスも気になる。」
そんなふうに思うこともあるかもしれません。
どれも、その方には合っているのかもしれません。
でも、
「みんなにいいこと」が、そのまま自分にも合うとは限りません。
流行っているから。
よく見かけるから。
誰かが「良かった」と言っていたから。
そんな理由だけで選ぶのではなく、
「今の自分の身体には、どうなんだろう?」
と、一度立ち止まってみてください。
もし始めた運動で痛みや違和感が出るなら、それは身体からのサインかもしれません。
身体は一人ひとり違います。
だからこそ、ぽっこりお腹が気になったときも、「何を始めよう」と考える前に、今の身体はどんな状態なんだろうと見直してみる。
その視点が、遠回りのようで一番の近道になることもあります。
